大会宣言
万丈(ばんじょう)の山々、千仞(せんじん)の谷、緑深く茂るこの箱根路に関東ブロックの視覚障害者が一堂に会し、真剣に論議し交流を深め、より強固な絆で結び合えたことを共に喜び合いたいと思います。
さて、私たちの生活に重要な、障害者差別禁止法の早期の成立とともに、すべての自治体において障害者差別禁止条例の制定にむけて自らも運動を展開していかなければなりません。
私達視覚障害者に不可欠な移動支援と情報提供、そして外出先での代筆・代読は社会参加の基本であります。昨年12月の改正自立支援法において「同行援護」が創設され、自立支援給付として全国統一のサービスが実施されることになりました。これは粘り強い私たちの運動の結果として喜びたいと思います。しかし、視覚障害が適切に認定されるかどうかの基準が明確ではありません。適切な障害認定が行われるよう引き続き運動を展開する必要があります。
一方移動支援事業は、未だに地域間格差が解消されず、地域によってその格差は大きくなっています。さらにガイドヘルパーの資質向上と人員増加を図るため、研修制度の確立が求められています。これらの実現のため、各自治体への運動をより一層進めていくことが重要であります。
鉄道においては、今年1月、私たちの仲間がホームから転落し命を失う事故がありました。それ以外にも、ホームからの転落、列車との接触事故は後を絶ちません。鉄道会社は、具体的目標値を設定し早急に可動式ホーム柵の設置を行うよう対策が求められています。 駅での視覚障害者用誘導ブロックの正しい設置と、アナウンスを男女の声で行う事など、問題解決にむけた早急な対策を引き続き求めていくことが必要です。
また、ハイブリットカーや電気自動車の走行音が小さいことに起因する事故も報告されるようになり、対象となる自動車への静音性対策が急がれています。
福祉教育における心のバリア解消のため、地域の小中学校の総合学習には当事者が積極的に参加し、その充実に向け私たちも努力する必要があると考えています。
視覚障害者の適職である鍼灸マッサージ業を脅かす、無免許者・無資格者の違法類似行為者を阻止し、有資格者の権益を擁護するため、無資格者撲滅キャンペーンを実施してきました。増大する無資格・無免許者の撲滅には警察と保健所が連携して強力に対策を推し進めて行くことが求められています。
近年、中途失明者の増加に伴い、就労継続、現職復帰、新職業の開拓、職業訓練や通院中のロービジョンケアなどの充実も進めて行かなければなりません。他の障害者と比較して視覚障害者の雇用率は少ないのが現状であり、視覚障害者の就労には困難が多く、各都道府県の労働局に対して視覚障害者雇用の拡大を訴えて行くことが必要です。
私たちが求めている社会は将来に希望を持ち、生きがいのある生活を送ることができるものでなければなりません。本大会を契機に、関東ブロックの各団体が力を合わせ、より一層前進することをここに宣言します。
平成23年2月28日
第45回日本盲人会連合関東ブロック協議会神奈川大会
大会決議
- 一.障害者権利条約の早期批准と障害者差別禁止法の制定、都道府県においては障害者差別禁止条例を制定するよう強く要望する。
- 一.視覚障害者の社会参加促進のため、外出先での情報支援・コミュニケーション支援を拡充する目的で、ガイドヘルパーの資質向上と養成研修体制の整備を強く要望する。
- 一.視覚障害者の命にかかわる駅ホームからの転落や、列車との接触事故を防止するため、鉄道事業者は可動式ホーム柵の設置に関する数値目標を設定し、早期に実現するよう、強く要望する。
- 一.就労困難な視覚障害者の生活を保障するため、障害基礎年金を現行より大幅に引き上げるとともに、所得制限を緩和することを強く要望する。
- 一.介護付き重度視覚障害者の特急料金の割引を強く要望する。
- 一.音響式信号機、点字ブロック、エスコートゾーンの整備・充実と、階段の段鼻全体に弱視者にもわかりやすい色つけを行うよう強く要望する。
- 一.視覚障害者の雇用促進のため、介護保険事業者や企業はマッサージ師の正規雇用を行うよう強く要望する。
- 一.中途視覚障害者の就労継続、個々の実態に合わせた就労支援を行うよう強く要望する。
- 一.中途視覚障害者の職場復帰のため、各種リハビリテーションの実施とロービジョンケアを診療報酬に入れるよう強く要望する。
- 一.視覚障害者のあはき自営業者にも職業支援のために、ヒューマンアシスタント制度が利用できるよう強く要望する。
- 一.視覚障害者の生活と権益、国民の健康を守るため、あんま・マッサージ・指圧の無免許者・無資格者の違法類似行為者の徹底取り締まりを強く要望する。
- 一.視覚障害者が入院先でもホームヘルパーの利用が可能になるよう強く要望する。
- 一.視覚障害者が所有していない車両であっても、身障手帳提示のみで、高速道路等の通行が半額の割引で利用できるよう強く要望する。
平成23年2月28日
第45回日本盲人会連合関東ブロック協議会神奈川大会
開催要綱
1 目的
日本盲人会連合関東ブロック協議会に加盟する各団体が一堂に会し、視覚障害者の福祉増進、職業問題等当面する諸問題について討議し、社会への完全参加と平等の促進を図り、ユニバーサル社会の実現を目指すとともに、団体相互の交流を深めることを目的とする。
2 主催
社会福祉法人 日本盲人会連合関東ブロック協議会
特定非営利活動法人 神奈川県視覚障害者福祉協会
3 後援(順不同)
神奈川県
箱根町
社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会
社会福祉法人 箱根町社会福祉協議会
財団法人 神奈川県身体障害者連合会
箱根町身体障害者福祉協会
神奈川県ライトセンター
神奈川県総合リハビリテーション事業団 七沢更生ライトホーム
神奈川県立平塚盲学校
公益財団法人 日本盲導犬協会
社団法人 神奈川県鍼灸マッサージ師会
4 協賛(順不同)
株式会社日本旅行藤沢支店
池野通建株式会社
レハ・ビジョン株式会社
5 協力(順不同)
神奈川県視覚障害者情報センター「神奈川ライトハウス」
ボランティアグループ「かもめ」
6 会期
平成23年2月27日(日)〜2月28日(月)
日程は下記参照
7 会場及び宿泊
会議・懇親会・宿泊:「ホテルおかだ」
住所:〒250−0312 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋191
8 参加団体
社会福祉法人 茨城県視覚障害者協会
社団法人 栃木県視覚障害者福祉協会
社団法人 群馬県視覚障害者福祉協会
社団法人 埼玉県視力障害者福祉協会
特定非営利活動法人 さいたま市視覚障害者福祉協会
社団法人 千葉県視覚障害者福祉協会
千葉市視覚障害者協会
社団法人 東京都盲人福祉協会
特定非営利活動法人 横浜市視覚障害者福祉協会
特定非営利活動法人 川崎市視覚障害者福祉協会
社団法人 山梨県視覚障害者福祉協会
特定非営利活動法人 神奈川県視覚障害者福祉協会
以上の代表並びに関係者約400名
日程
第1日目 2月27日(日)
第1部 式典 13時30分〜14時00分
- (1)開会のことば
- (2)主催者挨拶
- (3)来賓祝辞
- 神奈川県知事 代理 保健福祉局・次世代育成部長
- 箱根町町長
- 箱根町町議会議長
- 日本盲人会連合会長
- (4)来賓紹介
- (5)祝電メッセージ
- (6)閉会のことば
第2部 講演 14時00分〜15時00分
「ロービジョンケアの実際」
慶応義塾大学教授 中野 泰志 氏
第3部 分科会 15時15分〜17時00分
- 第1分科会 福祉・文教
- 第2分科会 職業・経済
- 第3分科会 青年
- 第4分科会 女性
- 第5分科会 ロービジョン
団体長会議 17時10分〜17時30分
座長会議 17時10分〜17時30分
懇親会 18時30分〜20時30分
第2日目 2月28日(月)
第4部 歓迎演奏 9時00分〜9時30分
Harp in trio 「スイート ローズ」
第5部 全体会議 9時45分〜11時45分
- (1)開会のことば
- (2)日本盲人会連合関東ブロック協議会会長挨拶
- (3)議長団選出
- (4)分科会報告
- (5)関東ブロック協議会報告
- 日本盲人会連合関東ブロック協議会事務局長
- (6)日盲連情勢報告
- 日本盲人会連合会長
- (7)大会宣言(案)朗読
- (8)大会決議(案)朗読
- (9)議長団解任
- (10)次期開催団体代表挨拶
- 千葉県視覚障害者福祉協会会長
- (11)万歳三唱
- (12)閉会のことば